症状3. 温度が上がらない

3-1.電源を入れてランプは点灯しているが、上火・下火ともに温度が上昇しない

電流の流れを制御しているヒューズが切れていることが原因と考えられます。
メンテナンス側(左右どちらか)の一番下のパネル(外板)を外すか、メンテナンス口がある場合は 扉を開いて配電ボックス内のヒューズの確認・交換をおこなってください。

>>ヒューズの確認・交換方法はこちら<<

【オーブン配電盤内の電装部品の名称】
焼成室関係の電装部品
焼成室関係の電装部品 【独立制御方式の場合】
画像A:上火用マグネットスイッチ(1段分)
画像B:下火用マグネットスイッチ(1段分)
画像C:スチーム用マグネットスイッチ(1段分)
画像D:ヒューズ(1A)

マグネットスイッチは、ご使用のオーブンの段数分だけ配電盤内に搭載されています。
また、独立制御方式でない場合は、マグネットスイッチが集約されて搭載されています。
ご使用中のオーブンで確認してください。
焼成室関係の電装部品 【現行型/操作パネル】
画像E:メインスイッチ
画像F:フロントヒータースイッチ
画像G:照明スイッチ
画像H:上火用サーモスタット
画像I:下火用サーモスタット

年式により、サーモスタット・各スイッチの形状が異なりますので、ご注意ください。


【ヒューズの点検・交換方法】
始める前に・・・

★オーブンは200Vの高電圧で稼働しています。必ず電源を切ってからおこなってください。
★点検・作業は電気技術免許をお持ちの方のみ、点検をおこなってください。

ヒューズの点検・交換方法 画像D部に小さな【ガラス管ヒューズ】がはめ込まれています。
マイナスドライバーなどを用いて、取り外しましょう。
※乾電池を取り外す要領で外れます。

ヒューズをよく観察すると、ガラス管の内部に細い電流線が見えます。
この電流線が切れてしまうと、主電流がマグネットスイッチへ流れなくなってしまいます。
交換をおこないましょう。

3-2.辛うじて温度は上がるが、以前よりも時間がかかる気がする

各段のマグネットスイッチの不良か、サーモスタットの不良が考えられます。
配電盤内に搭載されているマグネットスイッチの動作を確認していきましょう。

マグネットスイッチの種類
マグネットスイッチの種類

【国産】
マグネットスイッチ
マグネットスイッチの種類

【純正】
マグネットスイッチ


【昇温不良のマグネットスイッチの動作確認】
始める前に・・・
★オーブンは200Vの高電圧で稼働しています。必ず電源を切ってからおこなってください。
★点検・作業は電気技術免許をお持ちの方のみ、点検をおこなってください。
【手順1】
昇温不良の段のマグネットスイッチの位置を目視してください。
【手順2】
昇温不良の段のサーモスタットを動かします。
  • マグネットスイッチが上火・下火に分かれている場合は、上火サーモスタットから動かします。
  • マグネットスイッチが焼成室ごとに分かれている場合は、下火サーモスタットを動かしてください。
【手順3】
アナログ仕様の場合:設定温度の針を、現在温度を示している針の近辺で動かします。
デジタル仕様の場合:設定温度を現在温度の近辺にスイッチを上下させます。

サーモスタットを動かすと、【手順1】で目視していた昇温不良の段のマグネットスイッチが ON-OFFするたびに「ガチャ、ガチャ」と大きな音を立てながら動作します。

または「ガガガガ・・」と立て続けにON-OFF動作を繰り返す場合もあります。

いずれもマグネットスイッチがON-OFFするときは音が鳴りますのでよく聞いて確認してください。


>>マグネットスイッチの動作音が聞こえる場合はこちら<<

>>マグネットスイッチの動作音が聞こえない場合はこちら<<


【マグネットスイッチの動作音が聞こえる場合】
マグネットスイッチが「ガチャ、ガチャ」または「ガガガガ・・」と音を発し、ON-OFF動作が確認できるのに 温度が上がらない場合は、スイッチの接点不良により三相運転が単相運転になってしまっていることが考えられます。
当該の段の運転を停止し、 >>弊社技術部へご連絡ください。

以下の点検は、電気技術免許をお持ちの方がおこなってください。
【手順1】
オーブンの主電源を切ります。
【手順2】
マグネットスイッチの接点部を強制的に【ON】状態にし、テスター(工具名)で導通を測ります。
導通・・・002以上は良好と判断します。
【結果】


【マグネットスイッチの動作音が聞こえない場合】
マグネットスイッチのコイル断線や、何らかの電装部品の動作不良が考えられます。
当該の段の運転を停止し、 >>弊社技術部へご連絡ください。

以下の点検は、電気技術免許をお持ちの方がおこなってください。
【手順1】
オーブンの主電源を入れている状態(200V/高電圧)で、サーモスタットを上火・下火ともに300℃設定にしてください。
マグネットスイッチの接点が強制的に【ON】状態に入ります。
【手順2】
対応する上火・下火のマグネットスイッチの「A1・A2」にテスターを当てて、電圧を測ります。

  • 状態1:電圧(200V)がしっかりとマグネットスイッチにかかっている。
    >>マグネットスイッチのコイル断線が原因と考えられます。
    この場合は、マグネットスイッチの交換をおこなってください。

  • 状態2:電圧(200V)がまったくマグネットスイッチにかかっていない。
    >>サーモスタット(上火または下火)の接点不良が原因と考えられます。
    この場合は、サーモスタットの点検をおこなってください。


【サーモスタットの点検手順】
【手順1】
オーブンの主電源を切ります。
【手順2】
動作不良の見られたマグネットスイッチに対応しているサーモスタットの裏側の接点にテスター(工具名)を当て、 その状態でマグネットスイッチの接点を強制的にON-OFF動作させます。
【結果】

3-3.焼きムラが出るようになった

各段のマグネットスイッチの不良、サーモスタットの不良、またはオーブンの垂直バランスの狂いなどが考えられます。
電装部品が原因としても確かな原因究明は難しく、また、オーブンの垂直バランスに関しては個々の機械により、バランスの取り方は様々です。

焼きムラの場合は、数日で解消される場合もありますので、しばらく様子をみて、数日(2~3日)症状が続くようでしたら >>弊社技術部へご連絡ください。

3-4.スチームの復帰時間が長く感じる

バルブヘッドの締め忘れによるスチーム不良、スチームヒーターの漏電によるスチーム不良が一番に考えうる原因です。
しかし、いずれも問題がない場合は、スチームの温度を制御しているスチームサーモスタットにかかわる電装部品の動作不良が考えられます。
配電盤内に搭載されているマグネットスイッチの動作を確認していきましょう。


【スチーム不良のマグネットスイッチの動作確認】
始める前に・・・
★オーブンは200Vの高電圧で稼働しています。必ず電源を切ってからおこなってください。
★点検・作業は電気技術免許をお持ちの方のみ、点検をおこなってください。
【手順1】
スチーム不良の段のマグネットスイッチの位置を目視してください。
【手順2】
スチーム不良の段のスチームサーモスタットを現在温度付近で左右に動かします。
【手順3】
サーモスタットを動かすと、【手順1】で目視していたスチーム不良の段のマグネットスイッチが ON-OFFするたびに「ガチャ、ガチャ」と大きな音を立てながら動作します。

または「ガガガガ・・」と立て続けにON-OFF動作を繰り返す場合もあります。

いずれもマグネットスイッチがON-OFFするときは音が鳴りますのでよく聞いて確認してください。


>>マグネットスイッチの動作音が聞こえる場合はこちら<<

>>マグネットスイッチの動作音が聞こえない場合はこちら<<


【スチームサーモスタットの点検方法】

スチームサーモスタットの点検方法 スチームサーモスタットの取り付け位置は、旧型・新型により場所が異なります。
ご使用のオーブンのどの位置に取り付けられているか、確認して下さい。
画像は現行型オーブンのスチームサーモスタットの位置です。
オーブン正面下側のパネルカバーを外すと確認ができます。
スチームサーモスタットの点検方法 画像はスチームサーモスタットです。
出荷時に温度調整、及び、設定をおこなっております。
出荷時設定温度:200~220℃前後
右回し:温度上昇
左回し;温度下降
オーブンの段数分搭載されています。
スチームサーモスタットの点検方法 配電盤内のスチーム用マグネットスイッチの位置は【画像C】です。


【マグネットスイッチの動作音が聞こえる場合】
マグネットスイッチが「ガチャ、ガチャ」または「ガガガガ・・」と音を発し、ON-OFF動作が確認できるのに 温度が上がらない、または、スチーム不良となる場合は、スイッチの接点不良により三相運転が単相運転になってしまっていることが考えられます。
当該の段の運転を停止し、 >>弊社技術部へご連絡ください。

以下の点検は、電気技術免許をお持ちの方がおこなってください。
【手順1】
オーブンの主電源を切ります。
【手順2】
マグネットスイッチの接点部を強制的に【ON】状態にし、テスター(工具名)で導通を測ります。
導通・・・002以上は良好と判断します。
【結果】


【マグネットスイッチの動作音が聞こえない場合】
マグネットスイッチのコイル断線や、何らかの電装部品の動作不良が考えられます。
当該の段の運転を停止し、 >>弊社技術部へご連絡ください。

以下の点検は、電気技術免許をお持ちの方がおこなってください。
【手順1】
オーブンの主電源を入れている状態(200V/高電圧)で、スチームサーモスタットを上火・下火ともに300℃設定にしてください。
マグネットスイッチの接点が強制的に【ON】状態に入ります。
【手順2】
対応するマグネットスイッチの「A1・A2」にテスターを当てて、電圧を測ります。

  • 状態1:電圧(200V)がしっかりとマグネットスイッチにかかっている。
    >>マグネットスイッチのコイル断線が原因と考えられます。
    この場合は、マグネットスイッチの交換をおこなってください。

  • 状態2:電圧(200V)がまったくマグネットスイッチにかかっていない。
    >>サーモスタット(上火または下火)の接点不良が原因と考えられます。
    この場合は、サーモスタットの点検をおこなってください。


【サーモスタットの点検手順】
【手順1】
オーブンの主電源を切ります。
【手順2】
動作不良の見られたマグネットスイッチに対応しているスチームサーモスタットの裏側の接点にテスター(工具名)を当て、 その状態でマグネットスイッチの接点を強制的にON-OFF動作させます。
【結果】

3-5.メインスイッチのランプが点灯しない

メインスイッチを押したとき、ランプが点灯していないのに正常に昇温を開始している場合、スイッチ内のランプの球切れを起こしています。
メインスイッチを取り外し、ランプの球の交換をおこないましょう。


【スイッチ内のランプの球交換手順】
始める前に・・・

★必ず電源を切ってからおこなってください。
ウェルカー社純正・押しボタンスイッチをご使用の場合
スイッチ内のランプの球交換手順 ※メインスイッチ・フロントヒータースイッチ・照明スイッチはすべて同じ構造です。

画像はスイッチ本体です。
実際は、ヘッド部(画像a)と接点部(画像b)の間にステンレスパネルを挟んで取り付けてあります。

スイッチが取り付けてあるパネルを外して交換作業をおこないますが、大変狭い場所での作業となりますので、 充分注意して、必ず電源を切ってからおこなってください。
スイッチ内のランプの球交換手順 【手順1】
ヘッド部と接点部を分解します。
分解するために、接点部にある固定金具(画像内・矢印部)をドライバーで引き延ばしてください。 そのままの状態で正面からヘッド部を引っ張るとヘッド部が引き抜けます。

この固定金具はかなり強い引きがあるので、力を入れて引き延ばします。
スイッチ内のランプの球交換手順 【手順2】
画像Jはスイッチ用電球です。
年式により形状の変更、及び、ハロゲン式への変更がされている場合がございます。

この電球を手前に引っ張ると簡単に外れます。
交換後は接点部にあるヘッド部取り付け溝とヘッド部の溝をきちんと合わせてパネルを挟み、取り付けてください。
スイッチランプの点灯はあった方が電源の入り・切りがわかりやすいため皆様に推奨しておりますが、 ランプの点灯を必要とされない方はそのままご使用頂いても支障はございません。

国産・押しボタンスイッチをご使用の場合
スイッチ内のランプの球交換手順 ※メインスイッチ・フロントヒータースイッチ・照明スイッチはすべて同じ構造です。

画像はスイッチ本体です。
実際は、ヘッド部(画像a)と接点部(画像b)の間にステンレスパネルを挟んで取り付けてあります。

スイッチが取り付けてあるパネルを外して交換作業をおこないますが、大変狭い場所での作業となりますので、 充分注意して、必ず電源を切ってからおこなってください。
スイッチ内のランプの球交換手順 【手順1】
ヘッド部と接点部を分解します。
分解するために、接点部にある固定ボタン(画像内・矢印部)を押し込んでください。 そのままの状態でパネル正面からヘッド部を引っ張るとヘッド部が引き抜けます。

この固定ボタンはかなり強い力で押し込んでください。
スイッチ内のランプの球交換手順 【手順2】
画像kはスイッチ用電球です。
古いタイプはランプ式となっています。(画像はハロゲンランプです)

この電球を左に軽くひねると簡単に外れます。
交換後は接点部にあるヘッド部取り付け溝とヘッド部の溝をきちんと合わせてパネルを挟み、取り付けてください。
スイッチランプの点灯はあった方が電源の入り・切りがわかりやすいため皆様に推奨しておりますが、 ランプの点灯を必要とされない方はそのままご使用頂いても支障はございません。

3-5.メインスイッチを入れたが動作しない

メインスイッチ内の接点不良が考えられます。
以下の手順に従い、接点の確認をおこなってください。

【スイッチ接点の点検方法】
始める前に・・・

★必ず電源を切ってからおこなってください。
スイッチ接点の点検方法 スイッチ側パネルを取り外し、スイッチの裏側の接点にテスター(工具名)を用いて導通の確認をおこないます。
画像のように接点部にテスターを当ててください。

  • 純正スイッチの場合:緑色の接点(2箇所)

  • 国産スイッチの場合:青色の接点(2箇所)
導通が【002】以下であれば導通不良となります。
【手順1】
緑色の接点に入っている線を対象側の赤色の配線に繋ぎ直します。
【手順2】
配線を繋ぎ直したら、主電源を入れてスイッチの動作を確認してください。

>スイッチが入り、問題なく昇温を開始したらそのままご使用いただけます。

>スイッチの動作は変わらず動かない場合は、スイッチ本体に何らかの原因があります。
スイッチ本体の交換をしてください。
スイッチの取り外し方法は、前述のランプの交換方法をご参照ください。

>>スイッチランプの交換手順はこちら<<


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